(101)十二指腸潰瘍 : 十二指腸潰瘍の改善の早道は症状・体質に合ったせんじ薬。

Q

32歳の男性です。慣れない仕事でストレスがたまったせいか、空腹時にみぞおちに痛みを感じるようになりました。食事をすると楽になります。検査で十二指腸潰瘍と言われました、今の仕事で頑張りたいので良い漢方薬を教えて下さい。

A

胃腸にできる潰瘍の原因は、精神的ストレスの場合が多いです。漢方医学ではストレスに負けない丈夫な胃腸に改善することを目標にします。
まず、中程度の体力があり胸脇苦満(胸や脇、肋骨にかけて硬く反応のある状態)がある方には柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)が良いでしょう。さらに、げっぷや嘔吐などがある方には半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)を用います。
痩せ型で虚弱体質、血色が悪くさらに冷え症で脈に力がなくガスがたまりやすいといった方には、安中散(アンチュウサン)を用います。
また、おなかの筋肉が張り気力がなく手足にだるさを感じる方には、小建中湯(ショウケンチュウトウ)が良いでしょう。
次に、体力がある方でお腹に弾力があり、のぼせ気味で顔が紅潮して気分が安定しない、胃から出血があり痛みを伴う、といった方には黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)が良いでしょう。
細かく症状体質に合わせたせんじ薬が体質改善の早道です。
漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。