(95)子宮内膜症 : 子宮内膜症には症状を虚証と実証に分け適切な処方を。

Q

28歳の主婦です。最近、生理痛が月ごとにひどくなりだし日頃も腹痛に悩まされていたので病院で診てもらったら、子宮内膜症と診断されました。良い漢方薬があれば教えて下さい。

A

子宮内膜症の症状としては生理痛の他に、性交時の突き上げられるような痛み、下腹部の圧迫感、排便時の肛門に走る痛みなどがあり、加えて生理の際の血の量が増えたり、血の塊が出るようになったりします。
そのままにしておくと、おなかの中に大きな血の塊ができ、卵管や腸の癒着が起こり不妊症の原因となることがあります。さらに症状が進行してしまうと病巣部だけでなく、子宮や卵巣ごと摘出する手術をしなければならなくなります。漢方医学では、体質・症状を虚証と実証に分けて漢方薬を選びます。
まず虚証の方は、貧血気味で冷え性な疲れやすいタイプです。これらの方には、当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)か加味逍遥散(カミシュウヨウサン)が良いでしょう。
腹力のしっかりいて固い実証タイプの方には、桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)を用います。
エキス剤より煎じ薬が効果的です。漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。