(82)慢性腸炎 : 慢性腸炎には具体的な症状に合わせて処方し漢方を。

Q

38歳の会社員です。おなかの調子が悪くて病院に行ったら慢性腸炎と診断されました。体質改善できる漢方薬を教えて下さい。

A

慢性腸炎は、腹部膨満感、腹痛、腹鳴下痢などの症状を起こします。また、下痢と便秘が交互に来ることもあります。さらに結腸にガスがたまると胸部を圧迫して,心悸亢進や呼吸困難を起こすこともあります。
人によって様々な症状があるので、具体的な症状・体質ごとに漢方薬を選んでいきましょう。
まず体質的に疲れやすく、足の冷えやすい血色の悪い方の下痢に、真武湯(シンブトウ)を用います。こういった方のお腹は張りがなく触れると軟弱無力感があります。
次に体質的に虚弱で、粘りのある血便が出たり飛び散るような下痢をしたり、腹痛を伴うものに胃風湯(イフウトウ)を用います。
次に体力気力ともに十分なのに、みぞおちがつかえるように感じ、胸がもやもやして、腹鳴嘔吐が伴う下痢を起こす方には、半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)が良いでしょう。
その他、ストレスがあり、胸のもやもやが激しく不眠のある方で、下痢をした後スッキリする方には甘草瀉心湯(カンゾウシャシントウ)を用います。漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。