(80)子宮筋腫 : 子宮筋腫には血の塊を体外へ出して治す。

Q

33歳の主婦です。健康診断で子宮筋腫と診断されました。手術は避けたいので漢方薬で体質改善したいと思います。よろしくお願いします。

A

子宮筋腫は筋肉性の良性腫瘍です。筋腫ができると一般に生理が長引き、月経痛、生理過多を起こしやすくなります。粘膜の下に発生したものは早くから内膜炎を起こして月経異常の原因となり、子宮頸に発生したものは膀胱や直腸に圧迫感をもたらします。
漢方医学では、子宮筋腫を古い血の塊と考え、これを体外へ出すことで子宮筋腫を小さくして治していく方法をとります。
処方として、まず桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)があります。これは一般的に子宮筋腫に用いられる漢方薬で、腹部に弾力や緊張があり下腹部に抵抗感が認められる場合に用います。
左下腹部にはっきりとした抵抗や圧痛があり便秘をする方には桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)が良いでしょう。
逆に腹部に力がなく軟弱で冷え性の上、肩こり、頭重、めまい、貧血のある方は当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)で体力をつけてから、桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)を用います。貧血のひどい方は芎帰膠艾湯(キュウキキョウガイトウ)と合わせて服用すると良いでしょう。
大切なのは早期治療です。筋腫が大きくなってしまうと、やはり外科手術に頼らなければなりません。