(72)食欲不振 : 食欲不振には全身的な気血の代謝異常を改善。

Q

48歳の男性です。最近食欲がなくなり少しずつ痩せてきています。病院では疲労が原因と診断されました。何か良い漢方薬は無いでしょうか。

A

食欲がないという症状は、様々な病気に伴って起こる全身症状の一つです。
胃の疾患(胃炎、胃かいよう、胃下垂、胃アトニーなど)、肝臓病、腎臓病、結核性疾患、発熱、神経症などが原因となることが多いようです。
漢方医学では、食欲不振を全身的な代謝異常、血液の滞り、気のうっ滞などと考えて治療していきます。
まず体力が中程度で、みぞおちがつかえて重苦しく張り、押すと抵抗があり吐き気がしたりおなかがゴロゴロと鳴り、下痢をするような方には、半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)が良いでしょう。
次に、虚弱体質で少し食べると胃につかえてお腹がいっぱいになる方で、軟便や下痢気味、口に水が上がったり、唾液が口にたまりがちで、血色が悪く冷え症の方には人参湯(ニンジントウ)が良いでしょう。
また風邪やインフルエンザなどの病後や、その他の熱病の時に舌に白い苔が生じて口が苦くなり、嘔吐やむかつきを感じる場合は小柴胡湯(ショウサイコトウ)が良いでしょう。
漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。