(71)いびき : いびきには鼻炎などの病的原因を体質改善で根本治療。

Q

14歳の息子のいびきについてご相談します。最近いびきがひどく、友人と外泊することを嫌がり修学旅行が心配です。良い漢方薬は無いでしょうか。

A

いびきは就寝中の呼吸時に、上気道という場所から出る異常な音のことです。
口が開き、鼻と口の両方で呼吸をしながら眠っているときに多く起こります。
眠りに入ると、顎の筋肉が緩み、下顎が下がって口が開きます。そして舌が気道をふさぐように後下方に寄り、空気の通り道が狭くなることで軟口蓋の振動が起こり、いびきとなります。
お酒を飲むといびきをかきやすいのは、軟口蓋が軽いマヒを起こすからです。
いびきの病的原因として、扁桃腺肥大、アデノイド増殖、鼻ポリープ、鼻炎、鼻タケ、鼻中隔湾曲などがあります。
漢方医学では、これらの病的原因を根本的に体質改善することで治していこうと考えます。
例えば、アデノイドや扁桃腺肥大の方には、小柴胡湯(ショウサイコトウ)に桔梗(キキョウ)と石膏(セッコウ)を加えたせんじ薬が効果的です。
また、鼻炎や鼻タケなどが原因の場合は、葛根湯(カッコントウ)に川芎(センキュウ)と辛夷(シンイ)を加えたせんじ薬が効果的です。漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。
なお、はりきゅう治療との併用も体質改善の早道です。