(69)半身まひ : 半身まひには、まず肥満症や高血圧などの体質改善から

Q

59歳の男性です。脳出血で倒れてから左半身がまひし、杖をついてどうにか歩ける状態です。手も足もしびれ、特に冬や夏のクーラーの効いた部屋では冷えて困ります。漢方薬で治せるのでしょうか。

A

半身まひは、脳出血、くも膜下出血、脳軟化症などが原因で、脳の動脈に急激な血行障害が起こり、運動まひを起こす症状です。脳出血は脳の血管が破れることによって起こり、脳軟化症は脳血栓や脳塞栓などが原因となります。くも膜下出血は脳の表面やくも膜の血管が破れておこるものです。
発作の後、多くの場合で半身まひが起こり体半身の顔面、手足、舌の筋肉などに運動障害が起こり、顔の表情がゆがみ、言語が不明瞭になります。
脳卒中にかかりやすいタイプは肥満や高血圧症の方が多いので、まずこれらの症状の解消をすることが大切です。ご質問のような方には、桂枝湯(ケイシトウ)に朮(ジュツ)と附子(ブシ)を加えたせんじ薬が効果的です。
なお、脳卒中は予防も大切です。そのための漢方薬としては大柴胡湯(ダイサイコトウ)や柴胡加龍骨牡蠣湯(サイコカリュウコツボレイトウ)、防風通聖散(ボウフウツウショウサン)などがあります。
漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。