(68)動悸・息切れ : 動悸・息切れには胸部・腹部に大別し体質も考慮して薬を選ぶ。

Q

53歳の自営業の男性です。最近、動悸や息切れがするようになり何をしていても意識してしまうため、不安で困っています。知人が漢方薬で良くなったと聞いたので相談させてください。

A

漢方医学では、胸部の動悸を心悸といいます。心悸は同時に息切れを伴う場合が多いのですが、息切れがなく、ただドキドキして困るという場合もあります。
漢方薬では、体力があって頭痛、頭重、便秘などがあり、おへその上あたりに動悸を感じる方は、柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリュウコツボレイトウ)を用います。体力が中程度で、胃下垂、胃アトニー症、心臓疾患などによる頭痛、めまい、動悸がある方には苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)が良いでしょう。また、体力のない方で疲労しやすく、不眠、食欲不振、寝汗をかくような方には、柴胡桂枝乾姜湯(サイコケイシカンキョウトウ)が良いでしょう。そして、神経過敏で、興奮しやすく、しかも頭髪が抜けやすくて腹部の動悸のある方には、桂枝加龍骨牡蠣湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)を用います。
漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。