(67)胃アトニー :胃アトニーには漢方薬で全身の機能低下を改善。

Q

営業をしている48歳の男性です。ここ数年、食べた物が胃につかえ、ムカつきや、食欲不振が続いて、仕事への気力が衰えがちです。今は市販薬を飲んでいるのですが、私に合う漢方薬は無いでしょうか。

A

胃アトニーとは胃無力症の事で、胃壁の筋肉が緩んで無力化し胃の運動や消化作用が鈍くなる状態です。そのため、食べたものがいつまでも胃内部にたまって下がらず、胃の膨満感やげっぷ、吐き気、食欲不振などの原因となり疲労しやすく神経質になり胃下垂を伴う方も多くいます。そうした体質的な症状を克服するために、漢方医学では全身の機能低下の状態を回復・改善を目的に漢方薬を選びます。
この胃アトニーは一般に虚弱体質や冷え症、低血圧などの他に神経症状として、記憶力や思考力の減退、のぼせ、動機、不安感などを伴うことがあります。こうした神経症状をお持ちの方にも漢方薬はお勧めできます。
ご質問のような方で、食後に眠気を催し、体がだるく頭重やめまいなどを訴える方には、六君子湯(ロックンシトウ)が良いでしょう。この他にも、苓桂朮甘湯(リョウキョウジュツカントウ)、小建中湯(ショウケンチュウトウ)、桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)、真武湯(シンブトウ)、茯苓飲(ブクリョウイン)などがあります。
漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。