(66)下痢 : 下痢には再発しないよう全身の機能を調整。

Q

28歳の会社員です。最近、下痢することが多く仕事中でも何回もトイレに行き困っています。こんな体質を改善できる漢方薬を教えて下さい。

A

下痢には急性と慢性があり、急性の下痢は急性腸炎によるものが多く、症状は下腹部がゴロゴロなったり強弱さまざまな腹痛を伴ったりします。
慢性の下痢の原因になる慢性腸炎は一つの体質病といってもよく、症状としては腹部の不快感や鈍い腹痛があり腹が鳴り全身倦怠と食欲不振がつのってだんだん痩せてきます。
漢方医学では、下痢は胃の具合の悪い時に表れ、水分代謝が悪くなる、水毒が原因と考えます。漢方薬では、次のようなものがあります

(1)体力があって首の後ろや背中がこり、下痢する場合には、葛根湯(カッコントウ)を用います。
(2)下痢の回数が多く、下痢する前にお腹がゴロゴロと鳴ってさっと出た後はすっきりする場合には、甘草瀉心湯(カンゾウシャシントウ)を使用。
(3)体力はやや虚弱で1日に2・3回の下痢をし、水様便より少し固い泥状の便の方に桂枝人参湯(ケイシニンジントウ)を使用します。
(4)下痢のほかに発熱と腹痛があり粘血便が出るしぶり腹の方には、黄笒湯(オウゴントウ)を用います。

ポイントは、全身の機能を調節しながら再発しないように体質改善していくことです。
漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。