(65)胃酸過多 : 胃酸過多には体質改善で分泌の障害を取り除く。

Q

39歳の会社員です。空腹時になると胸焼けが起こり、医者に胃酸過多症だと言われました。加えて、日頃から便秘気味です。一度に治す漢方薬を教えて下さい。

A

胃酸過多症はその名のとおり胃酸の分泌が多すぎる症状です。健康な人の胃は、食事をすると胃酸を多く分泌し空腹時は少なく分泌します。
胃酸過多症の方は、食後数時間たって空腹を覚えるころになっても胃の中の酸が減少せず、そのために胸焼けや胃痛が起こります。その原因は精神的なストレスや酒、たばこ、コーヒーなどの摂り過ぎによる場合が多いようです。脂肪分や塩分、糖分などをとった後にその症状が強くなる傾向があるようです。
漢方医学では、胃の働きを正常に戻し、分泌障害を取り除くことを治療の方針とします。ご質問のような方で、体力があり、みぞおちから脇腹にかけて、何か詰まったような感じがして押すとひどい痛みがあるなら、大柴胡湯(ダイサイコトウ)のせんじ薬が良いでしょう。
この他にも、黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)、生姜瀉心湯(ショウキョウシャシントウ)、柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)などがあり、症状や体質に合わせて選びます。
漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。