(64)便秘 : 便秘には体質を虚証と実証に分け正しく対処。

Q

25歳の主婦です。日頃から気持ちいい便通がなく、おなかが張り、市販の下剤を飲むと腹痛がして困ります。冷え症や胃下垂もあります。私の体質に合う漢方薬を教えて下さい。

A

便秘の原因を大別すると、腸の異常によるものと、自律神経の異常によるものの2つがあります。そして便秘で悩んでいる方の多くは常習性便秘で、これには弛緩性とケイレン性に分けられます。
弛緩性便秘は、腸の動く力が減退、低下して起こるものです。ケイレン性のものは、腸の動く力が強すぎてリズミカルな腸の動きを妨げ、腸管がケイレンして起こります。
便秘するとお腹が張ったり、倦怠感や疲労感、不眠、吐き気、めまい、肩こり、頭痛などが起こりやすくなります。女性では、生理不順になりやすく、ニキビやシミが出やすくなります。その他にも、肥満や皮膚病、肝臓病、血圧の異常などを起こすこともあり、便秘はあらゆる病気の根源だといっても過言ではありません。
漢方医学では、症状体質を機能低下(虚証)と機能亢進(実証)に分けて治療します。ご質問のような虚証の便秘には、桂枝加芍薬大黄湯(ケイシカシャクヤクダイオウトウ)を用いて、体の内部を温めながら便通をスムーズにしていきます。
なお、実証の方には大柴胡湯(ダイサイコトウ)や桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)、三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)、防風通聖散(ボウフウツウショウサン)などを用います。
漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。