(62)夜泣き・かんむし : 夜泣き・かんむしには心身のバランスを整え子供の健康的な発育を。

Q

2歳の男の子のことで相談します。最近、落ち着きがなくイライラしたり、きいきい声をあげたりします。また夜は急に泣き出すことが多く、ほとほと困っています。治せる薬はないでしょうか。

A

幼児は、脳の発育が未熟ですし、体内のすべての臓器が未発達で成長にもムラがあります。そのために、諸系統のバランスが崩れやすく、自律神経も安定していません。そして、幼児の精神も白紙の状態ですから、生活環境に敏感に反応してしまいます。
夜泣き・かんむしの起こる原因としては、空気の汚れや騒音などの不安定な生活環境や、過食や甘いものの摂り過ぎなどの食生活、子供へのかまいすぎや甘やかしなどの過干渉などが挙げられます。また、かんむし特有の症状として、①白目の部分が青白い。②眉間に浮かぶ青筋。③鼻の下が赤い。④頭の毛が逆立っている。⑤目を開けて寝る。などです。
漢方薬では、ヒステリックに泣き叫ぶなら、甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)が良いでしょう。腹が痛むのでは、と思うような夜泣きには、芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)を用います。その他、抑肝散(ヨッカンサン)や桂枝加竜骨牡蠣湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)などがあり、症状や体質によって選びます。漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。
また、小児用の痛くない鍼治療との併用も効果的です。