(60)口臭 : 口臭の原因をとらえて根本的に体質改善を。

Q

17歳の娘のことでご相談します。最近、口臭がひどくなり本人も気にしだして対人恐怖症の傾向もあるようです。明るい性格の子でしたが、すっかり内向的になり学校へ行くのも嫌がりだして、家に閉じこもり気味になってしまいました。娘の口臭を治す漢方薬を教えて下さい。

A

口臭の原因となる病気は数多く、まずは原因となっている疾患を特定することが先決です。その原因別に対応する漢方薬を挙げていきましょう。

(1)歯や歯茎、歯根に慢性的な炎症がある場合は、排膿散(ハイノウサン)、桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)、葛根湯(カッコントウ)など。
(2)口の中の疾患(口内炎など)には、甘草瀉心湯(カンゾウシャシントウ)、三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)など。
(3)のどの疾患(慢性扁桃炎、アンギーナなど)には、小柴胡湯加桔梗石膏(ショウサイコトウカキキョウセッコウ)、大柴胡湯(ダイサイコトウ)、葛根湯(カッコントウ)など。
(4)食道や胃の疾患(胃酸過多、慢性胃炎など)には、安中散(アンチュウサン)、六君子湯(ロックンシトウ)、半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)など。
(5)鼻の疾患(副鼻腔炎、慢性鼻炎など)には、葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)、荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)など。
(6)気管や肺の疾患(慢性気管支炎、肺炎、肺結核など)には、小青龍湯(ショウセイリュウトウ)、柴胡桂枝乾姜湯(サイコケイシカンキョウトウ)、麦門冬湯(バクモンドウトウ)など。

エキス剤よりもせんじ薬の方が効果的といえます。漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。