(57)眼精疲労 : 眼精疲労には体質に合わせて薬を決める。

Q

48歳の会社員です。仕事柄、細かい作業が多く目がショボショボして困っています。何か目に良い漢方薬はありませんか。

A

眼精疲労は遠視近視などが原因のもの、慢性の結膜炎などの症候性のもの、体調の変化によって起こるものなどがあります。
そのタイプ別に次のようなものがあります。
体力は中くらいで、立ちくらみしやすく頭が重く、頭痛、のぼせ、動機などを伴う方には、苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)を。もし貧血や生理不順、耳鳴り、むくみ、おへその周りに動悸を感じるときには、四物湯(シモツトウ)を合わせて用います。ただ、胃腸が虚弱で下痢しやすい方には使いません。
体力が衰えて疲れやすく、食欲不振、頭痛、微熱が続く、しゃべるときに口角に泡が付き、目に力がなく、味がよくわからないなどの症状が当てはまる方には、補中益気湯(ホチュウエッキトウ)を用います。
大病後や手術後、産後等で、全身の体力が著しく衰えている方には、十全大補湯(ジュウゼンダイホトウ)が良いでしょう。
その他、症状や体質に合わせて、八味丸(ハチミガン)や小柴胡湯(ショウサイコトウ)、大建中湯(ダイケンチュウトウ)などを用います。漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。また、はり・灸治療の併用もいっそう効果的といえます。