(56)四十肩 : 四十肩には証に合わせて専門的に薬を選ぶ。

Q

43歳の会社員です。最近急に肩が痛み始め、手をあげたり、後ろに回したりすることができなくなりました。夜中に痛みで目が覚めることもあって困っています。痛みをとる漢方薬を教えて下さい。

A

一般的に四十肩・五十肩と呼ばれる症状は、その名のとおり中年から初老期に多くみられ、老化の一種と考えられています。
ほとんどの場合、肩関節周囲炎として発症します。症状は、初期に肩が重く感じ始め、しびれ感に痛みが重なり、腕を動かせる範囲が狭くなってきます。昼間はさほど痛くなくても、夜、横になると肩や腕が重苦しくなります。時には激痛で眠れないとか、痛む肩を下にして眠れないことさえあります。
漢方医学では、証(症状や体質)に合わせて漢方薬を選びます。ご質問のような方には、葛根湯(カッコントウ)に茯苓(ブクリョウ)や附子(ブシ)を加えたせんじ薬が良いでしょう。
胃腸の弱い方には桂枝加朮附湯(ケイシカジュツブトウ)を用います。
肩こり・四十肩には針灸治療との併用も有効です。