(54)更年期障害 : 更年期障害の症状・体質に応じ個人差を認めて調合します。

Q

49歳の主婦です。数年前から生理不順になり、頭痛やめまいがするうえ不眠で困っています。精神的にも不安定で、時には自分でも抑えられないほどイライラして短気になり、耳鳴りや動悸がして気持ち悪いです。最近、同じような症状の友人が漢方薬で良くなったと聞きました。私に合った漢方薬を教えて下さい。

A

女性特有の症状を漢方医学では血の道症といい、更年期障害やノイローゼなどが含まれます。不定愁訴といわれるそれらの症状は多岐にわたります。毎日の苦痛が数年から長ければ十年余りの長期続くこともあります。
まず体全体の調子を整える漢方としては、柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)を主に用います。体力があってのぼせの傾向があり不眠を訴える方には三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)または黄連解毒丸(オウレンゲドクガン)を兼用します。逆に虚弱体質気味で水太りの上に筋肉にややしまりがない方には当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)を合方します。
胸がもやもやして頭痛や吐き気、腹痛がする場合は、黄連湯(オウレントウ)が良いでしょう。イライラしたり、気分の落ち込みを感じる不眠の方には、甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)を用います。
また、のどがつかえて気分が悪く、不安な気持ちが起きて胸がドキドキするような場合には柴朴湯(サイボクトウ)を用います。
その他には加味逍遥散(カミショウヨウサン)や柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリュウコツボレイトウ)、抑肝散加陳皮半夏(ヨッカンサンカチンピハンゲ)、四物湯(シモツトウ)、真武湯(シンブトウ)などがあります。
漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。
また、はり灸治療との併用も大変効果的です。