(53)風邪 : 風邪症状には三陰三陽の原則に基づいて薬を選択。

Q

中学二年生の娘のことですが、しょっちゅう風邪をひいて熱を出したり、鼻かぜをひいています。来年は受験なので、なんとかしたいのですが…。風邪をひきやすい体質を改善する漢方薬はないでしょうか。

A

風邪は症状の変化が早いので、状況に応じた漢方薬を選ぶ必要があるます。漢方医学では三陰三陽の病期の法則に基づいて処方を決めます。
風邪には葛根湯(カッコントウ)とよく言われますが、葛根湯(カッコントウ)を用いるのは太陽病といわれる風邪の初期だけです。頭痛や発熱、悪寒がして首肩がこわばり、汗が出ていない状態で用います。熱が出てじわじわと汗をかくような体の弱った状態で、葛根湯(カッコントウ)を用いると汗をかきすぎてしまい、かえって体力が消耗し風邪を悪化させます。
ご質問のような方には、日頃から柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)を服用して風邪をひきにくい体質にすることがポイントです。鼻かぜには桂枝加附子湯(ケイシカブシトウ)、麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)、小青龍湯(ショウセイリュウトウ)などから選用します。
症状や体質に応じた漢方薬を専門家に決めてもらうことが大切です。