(51)冷え症 : 冷え性には効果的なせんじ薬で体質の改善を。

Q

38歳の主婦です。夏でも靴下を手放せない冷え症で産後、特にひどくなった感じで困っています。漢方薬で体質改善したいと思いますのでよろしくお願いします。

A

漢方医学では、冷え症は陰虚証の方に多く、血毒や水毒が体に停滞しているのが原因だと考えています。漢方薬で体を内側から温めたり、血毒や水毒を体の外へ出しやすい体質に改善していく方法をとります。
まず、手足が非常に冷たくて下痢しやすく、寒さに耐える気力の衰えた方には、四逆湯(シギャクトウ)を用います。
冷えると主に下腹部が痛み、頭痛、腰痛、手足の痛みなどを伴う方や、しもやけになりやすい方には、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)を用います。
また、腰から足にかけて重い氷を当てているように感じ、尿が多量に出る方には苓姜朮甘湯(リョウキョウジュツカントウ)がよいでしょう。
その他には当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)、真武湯(シンブトウ)、大建中湯(ダイケンチュウトウ)、桂枝加附子湯(ケイシカブシトウ)、人参湯(ニンジントウ)、附子理中湯(ブシリチュウトウ)、甘草乾姜湯(カンゾウカンキョウトウ)などがあります。
なお、飲みやすいエキス剤より手間がかかりますが、せんじ薬の方をお勧めします。
漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。