(48)扁桃腺 : 扁桃腺にはこじらせないよう早期に体質改善を。

Q

8歳の娘のことですが、風邪をひくたびに扁桃腺が赤くはれ喉が痛くなり、熱とせきが出て困っています。何とか扁桃腺の手術をせずに済む方法はないでしょうか。

A

扁桃腺の炎症は、風邪などが原因で起こることが多い症状です。咽頭炎や喉頭炎・鼻炎などとも関連が深く、扁桃周囲膿瘍という重症に進むこともあります。腎炎やリュウマチ熱を起こす原因ともなるので、早期発見早期治療が重要です。
漢方では急性、慢性どちらの扁桃炎でも、それぞれ適応する漢方薬を用いることで、全身の力がついてほかの合併症の予防・治療となります。
まず、ご質問の方のように、慢性の場合には小柴胡湯(ショウサイコトウ)や大柴胡湯(ダイサイコトウ)を体質や症状によって選んでいきます。2~3日経過した亜急性の方で、喉が痛み舌に白い苔ができ熱が出たり寒気がしたりを繰り返す漢方医学でいう往来寒熱の状態の方には、先ほどの処方に桔梗石膏(キキョウセッコウ)を加えて用いることもあります。
さらに炎症で赤くはれて疼痛があり、化膿しているものには排膿散及湯(ハイノウサンキュウトウ)を用います。急性のもので、高熱が出て頭痛・寒気がし首肩の凝りを感じるものには、葛根湯加桔梗石膏(カッコントウカキキョウセッコウ)を用います。その他に、桔梗湯(キキョウトウ)、駆風解毒湯(クフウゲドクトウ)、麻黄附子甘草湯(マオウブシカンゾウトウ)などがあります。漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。
はり灸治療の併用も体質改善の早道です。