(46)中耳炎 : 中耳炎には耳鳴りや難聴の原因とならないよう早期治療を。

Q

日頃から虚弱気味の8歳の息子のことで相談します。風邪をひいて中耳炎になり、こじらせてしまったのか薄い耳だれが続いて困っています。最近は悪い耳の方から呼びかけても、聞こえにくいようで心配しています。

A

中耳炎は、鼓膜の内側が化膿する病気です。急性中耳炎は放置すると難聴につながる恐れがあるので、早期治療が必要です。慢性中耳炎は、徹底的な治療を行わないと再発を繰り返す恐れがあります。
漢方医学では、風邪をひきやすい、のぼせる、胃が弱い、などの体質を考慮に入れて、それらを改善することを目標に適切な漢方薬を選んでいきます。
まず、質問のように虚弱体質が甚だしい小児には、小建中湯(ショウケンチュウトウ)に黄耆(オウギ)と当帰(トウキ)を加えて用います。そして、虚弱体質で慢性に移行した方には、桂枝湯(ケイシトウ)に黄笒(オウゴン)を加えて用います。これらの漢方薬を続けてもなお耳だれが続く場合には、伯州散(ハクシュウサン)を兼用します。また、急性中耳炎で寒気や発熱、頭痛、肩こりを訴える場合には、葛根湯(カッコントウ)を用い、嘔吐を伴う場合には半夏(ハンゲ)を加えます。そして耳だれが出始めたら、桔梗石膏を加えて用います。
急性だったものが数日経過したら、小柴胡湯や大柴胡湯を体質や症状に合わせて選び、それに桔梗石膏(キキョウセッコウ)を加えるなどします。
針灸治療との併用も体質改善の早道といえるでしょう。