(43)口内炎 : 口内炎には熱証と寒証に分類して選用。

Q

42歳の営業マンです。体力があって血色も良いのですが、仕事で疲れ気分がイライラして食欲がなくなると決まって口内炎ができ痛くて困っています。しかも、みぞおちがつかえたり下痢をしたりすることもあります。体質改善する薬はないでしょうか。

A

口内炎は、口の中の粘膜や舌が荒れて痛むもので、ひどくなると潰瘍ができて炎症を起こすこともあります。放っておくと口全体に広がり、高熱をだすこともあります。
症状によって、アフタ性口内炎、カタル性口内炎、潰瘍性口内炎などに分けられ、最も多いのがアフタ性口内炎です。これは口腔粘膜が舌のところどころに小さく黄色い斑点ができ、その周囲が赤くなって痛みが強く、再発しやすいという特徴があります。
漢方医学では初期に熱があり口内の熱が高くて便秘をし舌の上に苔ができて口臭の強い「熱証」の場合と、舌苔がとれて熱がなく体力が低下している時の「寒証」とに分類して漢方薬を決めます。
ご質問の患者さまは、甘草瀉心湯(カンゾウシャシントウ)を1日3回食間に服用し、寝る前に黄連解毒丸(オウレンゲドクガン)を1回服用するとよいでしょう。そのほかにも、葛根黄連黄芩湯(カッコンオウレンオウゴントウ)、茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)、甘草湯(カンゾウトウ)、附子理中湯(ブシリチュウトウ)、半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)などがあります。漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。
なお、はり・灸治療との併用も体質改善の早道といえるでしょう。