(40)空腹痛 : 空腹痛の改善の早道は症状や体質に合った煎じ薬を用いること。

Q

38歳の会社員です。1年前から営業関係の仕事をしていますが、数ヶ月前からお腹がすくと胃の辺りが痛み出しました。最近では、朝おなかの痛みで眼が覚めるほどになり、検査を受けると十二指腸潰瘍と診断されました。現在は注射治療中です。体質改善したいと思っているのですが、何かいい漢方薬はありませんか。

A

潰瘍の原因は、精神的なストレスが原因の場合が多く、漢方医学ではストレスに打ち勝つ丈夫は胃腸に改善することを目標にします。
まず、中程度の体力があって肋骨弓(ロッコツキュウ)の際が硬くなっていれば、柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)が良いでしょう。胸やけがあれば、小茴香(ショウウイキョウ)と牡蠣(ボレイ)を加えて用います。そして、みぞおちのつかえ、げっぷや嘔吐などがある人は半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)がよいでしょう。
痩せ型で虚弱体質の方でしかも、血色が悪く冷え性で脈にも腹にも力がなく、ガスのたまりやすい方には安中散(アンチュウサン)を用います。また腹の筋が張ったり、気力がなくて手足がだるいなどの方には小建中湯(ショウケンチュウトウ)が良いでしょう。
次に、体力がある人で腹に弾力があり、のぼせ気味で顔が紅潮して気分が安定せず、胃から出血があり、痛みが伴うときには黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)を用います。ただ、便通がある方には、大黄(ダイオウ)を抜かなければなりません。便秘の強いときには三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)がよいでしょう。
そのほかに、漢方薬に真武湯(シンブトウ)、大柴胡湯(ダイサイコトウ)、小柴胡湯(ショウサイコトウ)、芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)などがあります。漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。