(39)白内障 : 白内障は症状・体質に応じた漢方薬を調合。

Q

60歳の主婦です。最近、新聞の字が見えにくくなり眼科で診てもらったところ、老人性白内障と言われました。知人に漢方薬でよくなった人がいます。よく効く漢方薬を教えてください。

A

白内障は眼の中のレンズの役割をする水晶体がにごる疾患で、その種類は多くあります。
(1)先天性白内障:これは生まれつきのものと、母体内で水晶体の発育が不全だったことが原因です。
(2)老人性白内障:これは水晶体の端の部分からにごり始め、眼が疲れやすくなりやがて眼がかすみ、濁りがだんだん瞳の中に向かってすすみ視力はさらに低下して字が読めなくなり、やがては失明してしまいます。
そのほか、外傷性や糖尿性のものなどがあります。まず、老人の方や糖尿病の方で、特に下半身に力がなく、夜中にトイレに何度も起きたり、のどの渇きやすい場合は八味丸(ハチミガン)が良いでしょう。しかし、胃弱の人には地黄(ジオウ)の量を少なくして用いなければなりません。
次に頭痛やのぼせ、めまい、足の冷えなどがあり、尿が減少するような人には苓姜朮甘湯(リョウキョウジュツカントウ)に車前子(しゃぜんし)を加えた煎じ薬が良いでしょう。また、尿が減少したり、むくみがひどく、角質のにごりのある人には越婢加苓朮湯(エッピカレイジュツトウ)がよいでしょう。そのほかに、三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)、柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)などがあります。漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。
なお、はり・灸治療との併用も効果的です。