(38)仮性近視 : 仮性近視には毛様筋をほぐし正常な働きに。

Q

中学2年生の息子のことです。最近、黒板の字が見えにくいと言うので調べてもらったところ、仮性近視と診断されました。頭が重く疲れやすいようで勉強にも集中できずにいるので困っています。近視がよくなる漢方薬はありますか?

A

仮性近視はレンズの厚さを調節するためにレンズのまわりを取り囲んでいる毛様筋という小さな筋肉がけいれん状態、すなわち一種のこむら返り状態になったものをいいます。
これは、レンズが厚くなりすぎて近視と同じような状態となっているので凹レンズをかければよく見えるわけです。近視はレンズが厚くなったままで固定したものですが、仮性近視では毛様筋のけいれんがほぐれれば正常にもどります。
この毛様筋のけいれんをほぐすうえで、漢方薬はたいへん役立ちます。まず、体力が中程度で、急に立ち上がったり、急に頭をあげたりすると、クラッと一瞬めまいがしたり立ちくらみがするという方、そして頭が重く動悸がしやすく、小便の回数が多かったり少なかったりと一定でなく、走るとポチャポチャと水の音がする方には苓姜朮甘湯(リョウキョウジュツカントウ)に車前子(シャゼンシ)を加えて用います。
次に、のどが渇いてよく水を飲み、汗をかきやすく小便の出が少ない方には五苓散(ゴレイサン)がよいでしょう。そのほかに、体質や症状に合わせた漢方薬がありますので、漢方の専門薬局でじっくりご相談ください。なお、はり・灸治療の併用はいっそう効果的といえます。