(37)精力減退 : 精力減退にはタイプに応じて根本から改善を。

Q

48歳の男性です。営業の管理職で夜の帰りも遅く、接待や部下の管理などで気をすり減らしているせいか、ここ数年、精力が減退して悩んでいます。仕事にも意欲がわきません。何か良い漢方はありませんか。

A

精力減退の症状としては性欲が起こらない、勃起が不全、射精しない、すぐに射精してしまう、性感に不満が残る、性交嫌悪、不感症などがあります。
原因もさまざまですが。全身的な体調の変化、家庭内外のストレス、精神や神経の病気、糖尿病、肝臓・腎臓の障害などがあります。漢方医学では精力減退を腎虚といいますが、この場合の腎は西洋医学の腎だけでなく泌尿生殖器などを広く含みます。
まず、痩せ型で神経過敏の方でヘソのところが動機し足が冷えたり尿が近かったりして疲れやすく、のぼせたりする方には桂枝加竜骨牡蛎湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)がよいでしょう。
次に、体格がよく腹力があり胸筋が固く張り、驚きやすくて動悸や不眠・不安を伴う人には柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)を用います。同じような体質で、みぞおちが固く、腹直筋のろっ骨に接している人には四逆散(シギャクサン)が良いでしょう。
また、神経質で緊張状態が長く続いて不能となった方には抑肝散加芍薬(ヨクカンサンカシャクヤク)を用います。そのほかに、八味丸(ハチミガン)や桂枝加附子湯(ケイシカブシトウ)、大柴胡湯(ダイサイコトウ)などがあります。漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。なお、はり・灸治療の併用もいっそう効果的といえます。