(35)いぼ・たこ : いぼ・たこには漢方薬で体質改善を。

Q

36歳の主婦です。最近、首のまわりにイボがたくさんできて困っています。市販の軟膏を塗ったり、皮膚科にも通ってみましたが思うように治りません。また、足にもたこができています。私の体調にあった漢方薬を教えてください。

A

いぼは表皮の限局性の増殖でウィルスが原因で、大別すると (1)尋常性のいぼ (2)青年性扁平いぼ (3)老人性いぼ(老年性の萎縮によるといわれる)の3種類があります。
(1)は少年期に多く、(2)は青年期に多く、(3)は中高年の方に多く、なかなか自然消滅しません。
たこ、うおのめとともに原因は同じで皮膚の一部が圧迫や刺激を繰り返し加えられることにより角質化して厚くなるのです。
まず漢方ですが、薏苡仁煎(ヨクイニンセン)があります。これは尋常性いぼにも効きますが、青年性いぼに特に効果があるようです。甘草(カンゾウ)を加えるとさらによく効きます。
治りが悪いときには薏苡仁夏枯草煎(ヨクイニンカゴソウセン)が良いでしょう。さらに、これでも効かないときには麻杏薏甘湯(マキョウヨクカントウ)を用い、うおのめなど皮膚が固くなった時にも用います。また、乳幼児にしばしば見られウィルスが原因とされる水いぼ(伝染性軟属種)には五苓散(ゴレイサン)がよいでしょう。
このほか、当帰芍薬散加薏苡仁(トウキシャクヤクサンカヨクイニン)や小柴胡湯加薏苡仁(ショウサイコトウカヨクイニン)があります。症状や体質などの個人差に応じて正確な漢方を漢方の専門家にじっくりと相談して決めてください。なお、はり・灸治療も体質改善の早道でしょう。