(34)不妊症 : 不妊症には水毒や血毒を排出させ体質改善を。

Q

33歳の主婦です。結婚して9年になりますが、まだ子供ができません。数年前のお医者さんの診断では子宮発育不全のため不妊症と言われ、ずっと悩んでいます。最近、子供ができなくて困っていた知人が漢方薬で体質を改善し待望の子宝に恵まれました。私にあった不妊治療の漢方を教えてください。

A

漢方医学では不妊症の原因を瘀血(血行の障害や停滞)や水毒(水分代謝の異常や停滞)と考えています。西洋医学では原因不明と言われる不妊症でも、子宮や排卵のさまざまな病気や発育不全を治すことによって妊娠できるようにしよう、というのが漢方の治療です。
まず体力があり、関節やのぼせのある人は下腹部のふる血の位置によって桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)や桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)、大黄牡丹皮湯(ダイオウボタンピトウ)の中から選んで用います。
虚弱体質の方で、冷え性・貧血気味で疲れやすく、卵巣機能不全、卵管閉止、子宮発育不全の方や、妊娠しても流産ぐせのある方には当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)がよいでしょう。
そして、胃腸が弱く腹直筋の緊張している方には当帰建中湯(トウキケンチュウトウ)を用います。同じく虚弱体質で、常に腰や足が冷え、手のひらのほてりや口の渇き、生理不順のある方には温経湯(ウンケイトウ)を服用します。
またいつも気分がふさぎ気力がなく、頭が重く肩がこり、のぼせや不眠、そして子宮や卵巣に障害のある方には加味逍遙散(カミショウヨウサン)がよいでしょう。
体質や症状に応じた漢方薬を調合してもらうことが大切です。また、はり・灸治療を併用すれば体質改善の早道でしょう。