(31)胆石症 : 胆石症には結石や痛みを取り体質改善を。

Q

42歳男性です。数年前に突然右腹が激しく痛くなり、夜中なので救急車を呼びました。病院では胆石症と診断されたのですが、手術は嫌だし、何か良い漢方を教えてください。

A

胆のうや胆管に炎症があると胆石を生じやすくなり、発作性の激しい痛みを起こします。
漢方医学では、発作性の疼痛に対する処置と体質改善をして胆石の形や種類によって小さくしたり、砕いて便中に排出するなどの治療があります。胆のう炎も胆石症と同じ漢方療法で治療ができます。
漢方としては、まず体力があり右の上腹部やろっ骨の際が硬く張ったり圧迫感があり、肩こりや吐き気を伴って腹痛のある人には大柴胡湯(ダイサイコトウ)が良いでしょう。便秘しない人には、大黄(ダイオウ)を抜いて用います。 
 鈍痛が右腹下にあり、微熱が続いたり食欲が落ちたり、また慢性の胆のう炎になるなどの場合には小柴胡湯(ショウサイコトウ)を服用します。のどが激しく乾いたり熱が高い人には漢方薬用の石膏(セッコウ)を加えて用います。加えて、発作時の痛みで腹直筋のつっぱる場合には芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)を合包した煎じ薬を用います。
体力が落ち、足が冷える場合の腹痛には大黄附子湯(ダイオウブシトウ)が良いでしょう。漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。
また、はり灸治療を併用して体質改善するのも早道です。