(30)糖尿病 : 糖尿病には病状体質によって加える薬が重要。

Q

52歳の会社員です。数年前から太り始め、喉が渇いたり、甘いものがほしくなりだしました。体がだるくて仕方ないので、病院で診てもらったら糖尿病と診断されました。現在はインシュリン投与と食事制限を行っています。一生この生活かと思うと嫌になります。体質改善できる漢方薬はありませんか。

A

漢方医学では、2千年以上の昔から糖尿病のことを消渇と呼び、研究され続けています。
糖尿病で恐ろしいのは合併症です。とくに血管が脆くなることで動脈硬化症、高血圧症などが起こりやすくなります。糖尿病が死因となる多くの場合で合併症を伴います。
この他の合併症としては胃腸障害やインポテンツ、皮膚病、白内障、神経痛があります。
まず、初期の糖尿病で比較的体力があり、上腹部や肋骨の際が硬く張った方には、大柴胡湯(ダイサイコトウ)に地黄(ジオウ)を加えて使います。便秘しない方には、これから大黄(ダイオウ)を抜いて用います。
そして体力的に少し落ち、食欲不振を訴える方には小柴胡湯加地黄(ショウサイコトウカジオウ)を用います。また、喉がすぐ渇き、尿の多い方には白虎湯(ビャッコトウ)に朝鮮人参(チョウセンニンジン)を加えて服用します。
体力が衰え、せきが出て皮膚が乾燥して口が渇き多尿という方には、麦門冬湯(バクモントウユ)に桔梗石膏(キキョウセッコウ)を加えます。漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。また針灸治療との併用も体質改善への早道です。