(29)脱毛症 : 脱毛症にはのぼせを治して元通りの髪に。

Q

30歳の営業マンです。最近、抜け毛が多いと思ったら頭にハゲが出来ていました。
いろいろな外用薬や内服薬を試してみましたが、効き目がありません。人前に出る仕事なのに消極的な態度になってしまい困っています。何か良い漢方薬はないものでしょうか。

A

漢方医学では、脱毛症の多くを逆気上衝と呼びます。その原因は、のぼせが毛根の働きを弱らせ、一時的に休眠状態にさせるためと考えられています。
のぼせが原因の症状には目の充血や赤ら顔、頭痛、肩こり、めまい、動機、耳鳴りなどがあります。それらを漢方で体質的に治すことで毛が再び生えてくるようにするわけです。
まず、がっちりしたタイプで、みぞおちが硬く張る方には、大柴胡湯加牡蠣(ダイサイコトウカボレイ)を用い、便秘しない方には大黄を抜いて服用します。虚弱な方や子供、若い方には小柴胡湯(ショウサイコトウ)に牡蠣(ボレイ)を加えて用います。
動悸や不眠、イライラなどの精神的不安を伴う方には、柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリュウコツボレイトウ)が良いでしょう。また、肥満型で便秘している方には防風通聖散(ボウフウツウショウサン)を用います。さらに虚弱な方で物忘れしたり神経過敏で疲れやすい方には、桂枝加竜骨牡蠣湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)がよいようです。漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。
なお、針灸治療との併用も効果的です。