(26)夏バテ : 夏バテにはオーダーメイドの薬で体質改善を。

Q

45歳の男性です。管理職のポストで仕事をしているせいか、夏になると疲れが目立つようになります。しかも食欲が落ちるので、市販のビタミン剤や胃腸薬を飲むのですが、それでも疲れが取れず、仕事に身が入らないので困っています。良い漢方薬はありませんか。

A

漢方医学では。五臓六腑の状態と疲れやすさのかかわりを重視し、同時に虚弱体質も考慮に入れて漢方を決めていきます。
まず、神経を使う仕事で精神的に疲れやすく、腹痛をよく起こす肝機能の低下した方には、柴胡桂枝湯(ショウサイコトウ)が良いでしょう。さらに激しく神経が衰弱し、動機や息切れがしたり不眠症となる場合には、柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリュウコツボレイトウ)か柴胡姜桂湯(サイコキョウケイトウ)を選用います。
夏になると食欲がなくなり、夏痩せして足がだるく水分をほしがり下痢しがちな方には、清暑益気湯(セイショエッキトウ)がよいでしょう。
また、ふだんから胃腸が弱く食後体がだるくてしゃべるのもおっくうになる方には、補中益気湯(ホチュウエッキトウ)を用います。食欲不振に加え貧血や肌のカサカサする方には、十前大補湯(ジュウゼンダイホトウ)が良いでしょう。
そのほかに、もともと体力がない方で、尿が近く、下半身がだるくていくら寝ても眠りが足りず寝汗をかく方には黄耆建中湯(オウギケンチュウトウ)がよいでしょう。
個人差に応じて漢方薬を決めることが大切です。