(24)肥満症 : 肥満症にはリバウンドしない体質作りを。

Q

40歳の主婦です。最近急に体重が増えたせいか疲れやすく、階段の昇り降りで動悸がしたり、ひざや腰が痛くなって困っています。根本的に体質改善をしてやせる漢方薬はないのでしょうか。

A

肥満症は心臓肥大や高血圧症、動脈硬化などの成人病の原因となります。
漢方医学では水分、脂肪、糖分の代謝、ホルモンの分泌を活発にして体内に蓄積しないように体質改善していく方法をとります。
まず、筋肉のしまりが良く、みぞおちや胸、脇が硬く、肩こりや便秘のある方には大柴胡湯(タイサイコトウ)が良く、便通が一日一回はあるように大黄の量を加減して用います。それに加え、腹部が膨満するものには防風通聖散(ボウフウツウショウサン)に大黄(ダイオウ)と芒硝(ボウショウ)を加えて服用します。
次に肌の色が白く、筋肉が軟弱で汗をかきやすく疲れやすい。また、むくみやすい水太りの方には防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)を用います。
また、太ってから生理が不順になった方にはおなかの瘀血の位置によって大黄牡丹皮湯(ダイオウボタンピトウ)、桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)、桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)のいずれかを選用います。
大切な事は、無理な食事制限や激しい運動はしないこと、そして元の体重に戻らないように食欲中枢を正常にして体質改善することです。
また、漢方と耳つぼ鍼治療の併用は大変効果的です。