(18)胃腸病 : 胃腸病には個人差に応じたせんじ薬で回復を。

Q

42歳になる会社員です。営業関係の仕事で毎日気を使っているせいか、最近、食物が胸につかえます。ひどい時には、胃が張って痛み、むかついて食欲が落ち、吐いたりして体力が落ちて困っています。漢方薬で、体質を改善する方法はないでしょうか。

A

胃腸疾患は、精神的なストレスが原因と考えられ、最近特に多くなっています。
まず、みぞおちがつかえて胃が少し痛み、腹が鳴って吐き気やむかつき、下痢のある方には、半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ)がよいでしょう。さらに、同じ症状に加えて、精神的不安から眠れなくなり、食欲がないという方には甘草瀉心湯(カンゾウシャシントウ)を用います。
胸やけがひどく、げっぷが出たり、すっぱい水が出てくる方には、生姜瀉心湯(ショウキョウシャシントウ)を用います。げっぷが出るのに加え、胃に圧迫感があって頭痛がしたり、吐いたりする方には、茯苓沢瀉湯(ブクリョウタクシャトウ)を服用すると良いでしょう。
また、腹痛があり胃から出血する潰瘍性のもので、腹が張って便秘する方には、三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)を用い、便秘しない方には大黄(ダイオウ)を抜いて甘草(カンゾウ)を加えます。胃潰瘍や十二指腸潰瘍を繰り返し、貧血やむくみがあり、体力の衰えている場合には、小柴胡瀉合当帰芍薬散(ショウサイコシャゴウトウキシャクヤクサン)を用います。
この他に茯苓散(ブクリョウサン)や旋覆花代緒湯(センプクカタイショトウ)、柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)などがあります。これらは経験豊かな専門家に相談し、個人差に応じた薬方を決めて服用してください。