(16)耳鳴りとめまい : 耳鳴りとめまいには効果的なせんじ薬で血毒・水毒の代謝改善を。

Q

48歳の主婦です。3年前から耳鳴りと目まいに悩まされて、大変困っています。この症状が始まると、不安になったりイライラして、時には声をかけられても聞こえにくいために聞き返したりで、失礼することが多く悩んでいます。何か良い漢方薬はありませんか。

A

漢方医学では、こうした症状の原因を血毒と水毒と考えています。まず、血の道といわれる婦人で、貧血のために手足が冷え、肩こりや動悸(き)が伴う耳鳴りには、当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)を用います。

それに加えて、神経質でヒステリー症の立ちくらみには、苓桂朮甘湯(リョウケイジュツカントウ)を合方した方が効果的です。特に、貧血のひどい人には連珠飲(レンジュイン)の方がより良いといえますが、胃腸虚弱の方は下痢をすることがあるので用いることはできません。

次に、おへその上に動悸を強く感じ、不眠や不安感の伴うものには、柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリュウコツボレイトウ)を用います。また、動脈硬化症によく現れる耳鳴り便秘があり、しかも顔のほてりが激しく神経が興奮しやすいものには、三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)がよいでしょう。
さらに、慢性中耳炎を併発したり、カゼが治った後に耳管が炎症を起こして耳の塞がった方には、小柴胡湯(ショウサイコトウ)に香蘇散(コウソサン)を合方してもちいます。

大切な事は、効果的なせんじ薬を服用して、体質改善をしていくことです。