(15)夜尿症 : 夜尿症はケースに応じて処方を考える。

Q

小学生の娘(10歳)の夜尿症に悩んでいます。寝る前の水分は控えていますが、一日おきにやってしまいます。初潮が始まると大人の体になって治りにくいとも聞きます。外泊は恥ずかしいといって行かず、だんだん内向性になっていくのが一番心配です。何か良い漢方薬はないでしょうか。

A

夜尿症の原因には、遺伝的要因や排尿のしつけや情緒の不安定や欲求不満などがあります。

まず冷え性で血色が悪く疲れやすい、だるいなどという虚弱体質で食事をあまり食べず甘いものを欲しがり、尿の量や回数が多く昼間でも尿の漏れる子供には小建中湯(ショウケンチュウトウ)がよいでしょう。栄養も血色も良くて、見かけは元気そうでも、のどが渇き昼間も気がつかないうちに漏れるようなら八味丸(ハチミガン)を。幼児でしたら附子(ブシ)と桂枝(ケイヒ)を取り除いて使います。

また、体力は普通ですが非常に神経質で腹直筋が緊張し両脇のあたりに抵抗と圧痛があり、さらに腹痛があって口が苦く、ストレスが原因のものなら柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)を用います。そして、体力がありのどの渇きがひどく冷たい水をたくさん欲しがり、大量の尿を漏らすなら白虎湯(ビャッコトウ)に朝鮮人参(チョウセンニンジン)を加えて服用します。

そのほかに昼間、遊び疲れぐっすり眠っておねしょをする子供には、体質によって葛根湯(カッコントウ)を用いると良いでしょう。さらに内臓の疾患などがある場合は全身的な症状を考え合わせて処方を組み立てます。