(13)神経症 : 神経症には血液の循環を良くし痛みの原因を除去。

Q

3年前から神経痛で雨が降ったり、歩き疲れたりすると右側の腰から足にかけてしびれてだるかったり、痛みが出たりで仕事にもさしつかえて困っています。職場で漢方薬を使い治った人がいます。根本から治してしまう薬はないでしょうか。

A

質問者さまの場合は坐骨神経痛が考えられます。ひどくなると、横になっても眠れないほど痛む場合もあり、その原因を漢方医学では血毒と水毒と考えています。

まず、外傷や打撲などが原因で起きるものや、婦人の場合で生理不順を伴い下腹部を押して痛みを感じる人には桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)を。特にその症状が強く、便秘のある場合は桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)を用います。

足が冷え引きつるような痛みがあり便秘の傾向のある方は芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)と大黄附子湯(ダイオウブシトウ)を合方したほうが良いでしょう。同じ冷え性で腹から足に、または腰から足にかけて痛む椎間板ヘルニアによるものや、開腹手術、特に婦人科疾患の手術後に起こったものには、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)を服用します。 そして腰が痛み、夜中何度もトイレに起きる老人性のものや糖尿病が原因で起こるものは八味丸(ハチミガン)が良いでしょう。ただ胃の弱い人には地黄の量を少なくして用います。また、夜中の痛みが激しいものには、疎経活血湯(ソケイカッケツトウ)がよいでしょう。大切な事は症状や体質に応じた薬を選用することです。