(10)湿疹 : 湿疹には体質や症状に合わせ効果的なせんじ薬を。

Q

40歳の主婦です。3,4年前から乾いた湿疹に悩まされ続けています。強力な軟膏を使うと一時的には良くなりますが、やめると再び湿疹が出るという状態の繰り返しです。近所の方で漢方薬で良くなったと聞きました。良い薬はないでしょうか。

A

漢方医学では、湿疹などの皮膚病は体外からの原因と体内の変化(内因)が皮膚に影響して現れるとみています。その内因としては瘀血(ふる血)、食毒などがあります。

乾いた湿疹は瘀血(ふる血)を内因とします。患部が非常にかゆく、かくと皮がポロポロ落ち真っ赤になって血がにじみ、翌日には黒ごま状のカサブタができるタイプの湿疹には温清飲(ウンセイイン)が良く、症状や体質によっては士骨皮、荊芥、または柴胡や紅花を加えて用います。

また水毒を内因とし、水気のある湿疹はしつこいかゆみがあり、かくと水が出ます。これには十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)や消風(ショウフウサン)散を用います。そのほかに越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)、清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)、大柴胡湯(タイサイコトウ)、真武湯(シンブトウ)、当帰飲子(トウキインシ)などがあります。

大切なことは内因を取り除く時間が必要なので気長に服用することです。ある程度良くなっても完全に内因を根絶やしにするまで飲み続ければ、必ず良くなるでしょう。漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。