(9)シミ : 後天的にできたシミをとるには。

Q

48歳の女性です。最近シミが目立つようになり気になっています。化粧品を変えてみましたが、いっこうに変化がありません。何か漢方薬で体質改善できないものでしょうか。

A

漢方医学ではシミのこと肝斑といい、肝臓障害や瘀血(ふる血)によって生じると考えます。発生する場所は顔面、特に目や口の周りに表れ、赤色や褐色または黒褐色の不規則な色素の斑点です。ごく小さいものから顔一面におおわれることもあります。

シミに適した漢方薬としては体質や症状に応じ次のようなものがあります。

まず、虚弱体質や貧血気味、冷え性の方、そして妊娠中に発生したり産後に発生した方には当帰芍薬散加薏苡仁(トウキシャクヤクサンカヨクイニン)を用います。婦人科の手術をしたことがある人には加味逍遙散(カミショウヨウサン)を用い、貧血気味の方で更年期になってから発生したものなら四物湯(シモツトウ)を合方します。

冷え、のぼせがあり、体格・栄養の良い方で下腹を押すと硬いもの(瘀血)がふれる場合は桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイヒブクリョウガンカヨクイニン)を用い、便通がないときには大黄(ダイオウ)を加えます。また、下腹の瘀血(ふる血)がもっと硬くて強く、顔がほてり、手足の冷えがあって、しかも便秘がちで赤黒く、がっちりとした体格の方には桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)を用います。
このようにして内臓部分から調整していき後天的に発生してものは根治させることができるでしょう。

漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。