(8)高血圧症 : 高血圧の治療には副作用のない漢方薬で根気よく体質改善を。

Q

数年前から、ときどき頭が痛くなり、首や肩が凝っていました。健康診断で高血圧と言われましたが、まだ43歳の働き盛りです。これからも仕事が忙しくなってくるので、今後が心配です。高血圧の体質を治す漢方薬はないでしょうか。

A

漢方による高血圧症の療法は単に血圧を下げることを目標にしているのではありません。その人の体質に応じて、全身の状態を改善しながら正常にするわけです。つまり、その人にとって最も適正にある一定の血圧に下げようというわけです。

例えば、ちょうど良い最高血圧が160であれば、それ以下には下げません。無理やり血圧を下げて、低血圧の症状にすることはないのです。

まず顔が赤くイライラし頭痛やめまい、耳鳴り、不眠、眼底出血を起こす人は、黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)や三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)を用います。
動脈硬化の徴候があり、早期に頭痛があり気分が沈んで物忘れしやすい人は釣藤散(チョウトウサン)を用います。また腎炎や腎硬化症のある人、そして最低血圧が高く高血圧が慢性化し、頭痛、息切れ、たんぱく尿の出る人には七物降下湯(シチモツコウカトウ)が良いでしょう。

そのほかに、大柴胡湯(タイサイコトウ)や柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)、半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)があります。大切な事は、体質改善を目標に根気よく副作用のない漢方薬を服用することです。漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。