(5)膀胱炎 : 膀胱炎の治療には副作用の少ない漢方薬で再発しない体質に。

Q

29歳の主婦です。3年前から膀胱炎を繰り返して困っています。ひどい時には、腎盂炎になって高熱をだして2ヶ月ほど入院したことさえあります。ふだんでも残尿感があり、気持ちが悪く、特に足が冷えやすくて夏でも靴下をはいて寝るほどです。こんな体質を根本的に治す漢方薬はないでしょうか。

A

膀胱炎や腎盂炎は女性に多い病気ですが、意外と若い方でも冷房の影響で季節に限らず起きているようです。

まず、急性症状で排尿時の痛みや残尿感があり、尿が近く、血尿の出るような場合には猪苓湯加甘草(チョレイトウカカンゾウ)を用います。それに加えて、尿の混濁がひどい場合には、四物湯(シモツトウ)を合包して用いると効果的でしょう。
それでもなお、炎症が強く、小便が渋って痛い場合には竜胆瀉肝湯(リュウタンシャカントウ)を用います。
次に、慢性的になったり体力が少し低下して尿が気持ちよく出なかったり、尿がもれるように感じる人は、清心蓮子飲(セイシンレンシイン)を。胃腸が普段から弱く、抗生物質では胃腸障害を起こしやすい人、そして冷えや神経症のストレスから膀胱炎になる人には最適といえます。

また、慢性的になり再発しやすい人や、冷えや腰が重く夜間の排尿の回数の多い場合なら八味丸(ハチミガン)が良いでしょう。そのほかに五苓散(ゴレイサン)や当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)、大黄牡丹皮湯(ダイオウボタンピトウ)などがあります。

大切なことは、冷えや疲労から膀胱炎の再発や腎盂炎に移行しない体質に改善すること。

そのためには、副作用のない漢方薬を服用して、完治させる努力をすることが必要といえます。