(4)喘息 : 喘息の治療には症状・体質によって去加する薬が重要。

Q

中学2年生の子供のことで、相談します。毎年季節の変わり目になると、喘息発作を起こします。また、雨の振る前にも、胸がヒューヒュー鳴ることがあります。ふだんは、風邪をひきやすく、汗かきです。食欲はあまりなく、食べすぎると、喘息発作を起こすことがあります。体質改善の注射などもしましたが、効果はありませんでした。近所の方が漢方薬で治ったと聞きました。どんな漢方薬を飲んだらいいか教えてください。

A

漢方では、喘息の原因を水毒や食毒によるものが多いと考えています。まず、宿食の毒を取り去ることを目標にして、大柴胡湯(ダイサイコトウ)に厚朴(コウボク)と蘇葉(ソヨウ)を加えたものを長く服用してもらいます。体の丈夫でない方は、大黄(ダイオウ)を除いて用いるとよいでしょう。

発作を抑えるためには3つの方法があります。第一に小便が近くなり、口が渇くものは麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)を用います。第二に足が冷えて腹が張る方には麻黄湯加半夏生姜(マオウトウカハンゲショウキョウ)を用い、第三に腹も張らず、口中や小便にも変化のないものには麻甘湯(マカントウ)を用います。

また、息切ればかりして、喘鳴がひどくなく、心臓の弱い人には、麻黄の入った漢方は良くなく、茯苓杏仁甘草湯(ブクリョウキョウニンカンゾウトウ)を回数多く用いるとよいでしょう。老人や小児の方で、夜だけ喉がゼイゼイするものには、五虎湯(ゴコトウ)を与えます。小児喘息には、神秘湯(シンピトウ)を用いて甘草(カンゾウ)を多量に加えることがコツといえます。

そのほかに、小青竜湯(ショウセイリュウトウ)や麦門冬湯(バクモンドウトウ)、柴朴湯(サイボクトウ)などがあります。これらは、体質や症状に応じて、石膏(セッコウ)、杏仁(キョウニン)などを加味するかどうかが、重要なポイントです。漢方の専門家にじっくり相談して、症状や体質に応じた漢方薬を正しく服用してください。