(3)血の道症と更年期障害 : 更年期障害には症状に対応した薬の組み合わせを。

Q

47歳の主婦です。23年前から生理の具合が悪く、婦人科や神経科などで治療をうけました。治療をしている時は薬を飲んでいますが、やめると以前のような頭痛や肩こり、めまい、不眠、精神不安や食欲が落ち、動機、イライラや全身がだるいなどの症状がでます。漢方薬が良いというので、朝鮮人参などを服用したところ調子が良いのですが、神経症状はとれません。良い漢方薬はないでしょうか。

A

婦人の病を漢方では“血の道”といい、更年期障害やノイローゼは血道に含まれ、不定愁訴といわれるその症状は多方面にわたります。しかも、本人は毎日が苦痛で、期間も数年から十年余りと長期になります。

まず、からだ全体の調子を整える漢方としては、柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)を主にします。体力があり、のぼせる傾向があって、しかも不眠を訴えるものは三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)または黄連解毒丸(オウレンゲドクトウ)を兼用します。逆に体が虚弱で水っぽく、筋肉にしまりがないものは、当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)を合方して用います。胸がもやもやして、頭痛や吐き気、腹痛がする場合は黄連湯(オウレントウ)が良いでしょう。ヒステリー症状を起こし不眠やうつ症状を起こす場合は、甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)を用います。
また、喉に痰のようなものがつかえて、飲めど下らず、吐けど出ずというようで不安な気持ちが起こり、胸がドキドキする場合なら、柴朴湯(サイボクトウ)を用います。

そのほかの漢方に加味逍散(カミショウヨウサン)、柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)、抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)、四物湯(シモツトウ)、真武湯(シンブトウ)などがあります。大切な事は、症状に対応した漢方薬の組み合わせで、完治の早道といえるでしょう。